中国向けに健康食品を輸出する際の現地輸入規制および留意点
- Q. 中国向けに健康食品を輸出する際の現地規制および留意点を教えてください。
- A.
1.中国における輸入規制と手続
2009年6月1日から新たに「食品安全法」が施行され、従来の「食品衛生法」(1995年施行)は廃止されました。しかし、運用についての詳細がまだ決まっていない点も少なからずあり、走りながら円滑な運用を模索している状況です。
今回の食品安全法は、近年、中国で食品の安全性に関するトラブルが多発したことを受けて、中国国内生産に対する法律の厳格化が主たる目的とみられ、一部で憶測されていた輸入商品の検査強化については、今のところ目立った変化はみられません。
中国国務院は、2009年5月31日に「保健食品監督管理条例(審査案)」を公表しました。これは6月1日から「食品安全法」が施行されたことに伴うものです。同条例では、国家食品薬品監督管理局が保健食品を監督・管理する主管部門であることが明確化され、企業が第一義的な責任者であるとされ、健康食品ビジネスに参入するための資格がより厳しくなりました。また、健康食品の登録、生産経営管理、サンプリング検査、リコールなどについて明確な規定が設けられ、健康食品の宣伝広告も監督管理の対象となりました。そして、健康食品の範囲については、法律によって許可された特定保健効能を持つ食品、およびビタミン・ミネラルの補充を目的とする栄養素補充剤であることが明確に規定されました。
2.中国国内の認可取得が必要
中国国内で健康食品を販売するには国家食品医薬品監督管理局の認可を受ける必要があります。根拠法は「保健食品登録管理方法」とその関連通知で2005年7月1日に施行されました。その主な内容は保健食品の審査・許可の厳格化、GMP(製造管理および品質管理規制)の導入、保健効能表示の自由化、保健食品の許可期限、および再登録制度の新設などです。
国家食品薬品監督管理局から保健食品の認可を受けた後、効能効果表示が可能になります。
許可申請のために提供されたサンプルの試験結果が規定の基準を満たしたら、その試験データと所定の申請用紙に原則中国語で必要事項を記入の上、製造工程、品質規格、分析方法、安定性等の各種資料、内外装の表示内容、関連する国内外の文献等を添付し申請します。申請が許可されれば当該商品に「保健食品」のマークおよび許可番号の表示が許されます。なお中国保健食品登録許可書の有効期間は5年間です。ただし、再登録ができます。
許可申請の手続きは資料準備、試験、申請、初審、再検査、技術審査、行政審査、許可の順に行われます。
3.輸入通関前の検疫
税関への輸入申告に先立ち、当該港湾等を所轄する輸出入検査検疫局(国家品質監督検査検疫総局の下部機関)に衛生検疫の申請を行い、貨物の検査と国家標準に適った表示が行われているか否かの点検を受けて、問題がなければ、「入国貨物通関書」(検査合格・輸入許可の帳票)の発給を受けます。
4.税関への輸入申告
健康食品の場合は、検疫以外には税関が細かく審査する事項はありません。上記「入国貨物通関書」と通常の輸入通関書類を整えて申告し、所定の関税、増値税等を支払えば、輸入許可となります。注意すべきは分類番号の判定(「健康食品」という分類はありません)で、分類番号によって関税率が変わりますので、できるだけ事前に通関士経由で税関に相談をして分類番号の確定してもらうのがよいでしょう。それには、使用材料、構成比率、製法などの情報が必要です。関税は貨物のCIF価額に課されます。そして、CIFと関税額の合計に17%の増値税が課され、関税と一緒に徴収されます。
5.ラベルと包装容器・表示についての留意点
ラベルは輸入者の指示により日本側の生産者が作成する方法と輸入者が作成して輸入港の指定倉庫でラベルを貼り付ける方法があります。ラベルは中国の国家標準(GB)である「保健(功能)食品ラベル基準」GB 16740-1997に基づき作成して自己審査をします。検疫の過程でこのラベルが不合格となった場合には、改めて合格するラベルを作成して指定倉庫で貼り直しをすることになります。
製品の容器包装について「食品安全法」の規定に合致し、包装容器の表記については、加工食品の商品名、原材料名、製造年月日、賞味期限、原産国、保存方法、輸入企業名、輸入企業の所在地、輸入企業の電話番号、内容量等を明記する必要があります。
食品安全法に、「中国が輸入する包装食品は、中文ラベル、中文説明書がなければならない」(第66条)と規定されています。 したがって、中文ラベルは必須ですが、必ずしも日本で貼付する必要はなく、輸出者が中文のラベルを作成することが困難な場合、実務的には以下のような手順で対応している場合が多いようです。
a.輸入申告時に、各商品に貼るラベル見本を提出します。 それで問題なければ、輸入通関後に保税倉庫で各商品にラベルを貼ります。
なお、数量が多い場合は、事前に輸入業者を通じて記載内容を確認の上、日本で貼付します。
b.市販用に限らず、業務用原料品にも中文表示が要求されます。
c.日本語のラベルの上に中文表示を貼ることはOKです。 ただし、製造年月日と賞味期限日の表示が要求されます。 日本では通常、賞味期限日しか表示されていませんが、中文ラベルには両方の日付を記載する必要があります。
d.日本のように「個包装紙込み」内容量は認められません。ネット重量を中文ラベルに表示しなければなりません。
e.中文説明書は、現在のところ、あまり厳しく要求されていません。 現在、中国でラベルを貼られている商品を見る限り、原材料等の表示のみで説明書のないものが大半です。
f.添加物は化学名まで詳しく記載しなければなりません。着色料、保存料などは日本で記載しなければならないものとほぼ同じです。
g.ラベルに輸入者の企業登録番号を記載することは必須です。 製造メーカーの登録番号までは要求されていないようです。バーコードは商業上不可欠です。
食品ラベルの表示について、前述の法規の改正もあり、自社でラベルを作成するにあたっては、中国国内で実際に売られている類似品を参考にし、中国の法規に精通した輸入業者に食品ラベル表示の見本や原版を作成してもらい、それに基づいて、食品ラベルを作成することをお勧めします。また、2008年5月には予め包装された食品の栄養に関する情報を提供するための「食品栄養表示管理規範」が施行されています。
6.新たな規定などの施行についての留意点
中国は2007年から2008年にかけて消費者保護を目的とした食品の生産と流通に関する新しい規定などを制定・施行しましたので、輸出に際してはこれらの法規を事前に理解をしておくこと、そして輸出契約交渉においては中国の輸入者とこれらの法規に関する留意すべき事項について十分に協議を行いその結果を輸出契約書に明記することが必要です。
(1)有害その他の問題のある食品の回収などに関する「食品リコール管理規定」
(2)製品・生産者・販売者などの正確な表示方法や記載内容を規定する「食品表示管理規定」
(3)健康及び生命の保全を守るための「食品などの安全製品の管理監督についての特別規定」
(4)予め包装された食品の栄養に関する情報を提供するための「食品栄養表示管理規範」
(5)輸出入食品検査検疫監督弁法(草案)
7.今後の留意点
食品安全法にもとづく輸入がスタートしてまだ日にちが浅く、走りながら試行錯誤している状況です。今後、新たに条例が制定されたり、運用方法が変更されたりする可能性がありますので、輸出にあたっては、事前に現地の状況をよく確認して、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
该贴由leadol.com转至本版2010-10-14 22:10:51